ひぐらしの記 たまゆらの幸福 私は茶の間のソファに背凭れていた。恐れていた降雪予報は外れた。まるで、予報の外れを償い詫びるかのように、早春の陽光が窓ガラスを通し見ている視界へ、限りなくキラキラふりそそぐ。もちろん、自然界が詫びることはない。予報を外したことで詫びるとした... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 春の七草、「七草がゆ」 きょう「七草」(土曜日)、あす「初薬師」(日曜日)、あさって「成人の日」(月曜日)、カレンダーに記載ある歳時および式典を並べれば、ごちゃまぜ三連休の初日(1月7日)を迎えている。起き立ての私は、寒気に震えている。ところが、きょうの関東地方に... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 書くまでもないことをだらだらと書いた、継続文 1月6日(金曜日)、起き立ての私は寒気にたいし、やせ我慢を強いられている。まったく火の気のないパソコン部屋は、たちまち私に底冷えをくらわしている。それゆえ現在の私は、いつものわが甲斐性無しの嘆き節にある。寒さ避けにあっては高橋弘樹様から、貴... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 新年の出だし、気分良好、だけど体重増 1月5日(木曜日)、未だ夜明け前にある。しかし、心理の変化に負うところではあるけれど、旧年の「冬至」(12月22日)が過ぎて、こころもち夜明けの早さと、夕暮れの遅さを感じている。時はまったくぶれなく刻んで、めぐっている。「寒い、寒い」と呟き... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 「仕事始め」 令和4年(2022年)は過去になり、新たな令和5年(2023年)も三が日を過ぎた。そして、1月4日(水曜日)の夜明け前にある。壁時計の針は止まることなく、正確に時のめぐりを刻んでいる。夜が明ければ朝日と名を替えた太陽光線が、暗闇を照らし始め... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 正月三が日 1月3日(火曜日)、流し目で見遣る壁時計の針は、三時近くをさしている。晩御飯のあと茶の間のソファで寝入り、起き出して来てまったく火の気のないパソコン部屋で、キーを叩いている。茶の間で温まっていた体は、たちまち雪崩のごとく崩れて、冷えている。... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 「書初め」 新しい年の二日目、令和5年(2023年)1月2日(火曜日)の起き立てにある。現在、パソコン上のデジタル時刻は、2:42と刻まれている。言うなればこの時刻は、今年のわが文章のスタート、すなわち昔流に言えば「書初め」を為す。しかしながら子どもの... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 謹賀新年 新年元旦(令和5年・2023年1月1日・日曜日)。起きて、寒さが身に沁みる。除夜の鐘は聞かずに寝て、目覚めて起き出している(3:26)。自然界が恵む熱源の「御来光」を拝みたい気分横溢である。明けましておめでとうございます。新しい年にあっては... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 大晦日 12月31日(土曜日)。未だ夜中のデジタル時刻(2:56)の起き立てにあって、電子辞書を開いて幼稚園児さえ知る言葉の説明書きを読む。 「大晦日」:(各月の「みそか」に対して)1年の最終日。おおつごもり。おおとし。 「みそか」(三十日・晦... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 沸き立つ雑念 12月30日(金曜日)。今年1年間、溜まりにたまった澱(おり)のごとく、次々に浮かぶ雑念に耐えきれず起き出して来た。横目で見遣る壁時計の針は、夜中の2時半近くを回っている。起き立ての気分は、良いはずはない。きのうの胃カメラ検査の結果は、無傷... ひぐらしの記前田静良