ブックサロン 奇跡に生きる 三條源八著 著者は八十五歳。米穀商を営んでいる。昭和16年2月食管法が公布され、著者の住む山形県山形市でも市内に三百軒もあった小売店が解体され、配給組合が設立された。著者は市内9ヵ所に設立された第九配給所勤務となり、その後同県の食糧営団が... ブックサロン三條源八
ブックサロン 風を聴く 多田美津子著 家の近くの石神井公園にこぶしの花が咲きはじめる頃になると、著者は故郷の金毘羅さまの玉蘭を思い出す。玉蘭は白木蓮の漢名である。女学校卒業後、近所の学友と共に当時金毘羅さまの神職の奥さんに裁縫、茶道、華道を習いに通った日々が甦っ... ブックサロン多田美津子
ブックサロン 霧の道五十年 藤田 光著 十四歳で不治の病といわれているナルコレプシーを発病した著者が、孤独と絶望に襲われながら人間らしく生きるための闘いを俳句と文章で綴った自分史である。 ナルコレプシーとは俗名居眠り病ともいわれる病気で、その治療法は、薬を飲んで夜... ブックサロン藤田 光
ブックサロン 葦の原の夢 大沢久美子著 この小説の主人公である織田龍吉は、著者の母方の祖父、岩戸浅太郎をモデルにしたものである。彼は、明治十三年に兵庫県豊岡村字岩熊に生まれ、十六歳で大工の棟梁になった。島根県の宍道湖西岸の広大な葦の原を田園地帯にする壮大な夢を抱い... ブックサロン大沢久美子
ブックサロン 時を歩く 河合佳兵衛著 日本自分史普及協会のホームページで推薦の本 本書の著者は平成七年に、三十三年間の公務員生活に区切りをつけ、自ら遊び人と称して、退職後の生活を楽しんでいる。平成八年に随筆集「蔓茘枝」を出版し、本書が二冊目の出版である。 本書... ブックサロン河合佳兵衛
ブックサロン 丈で快適なわが家が めちゃ安で建つ 松田源治著 本書はマイホーム建築、材木屋十五年、木造建築の管理・監督十一年のキャリアを持つ著者が、頑丈で快適なマイホームをめちゃ安で手に入れた自分の体験を通して、「めちゃ安マイホームづくり」を提言する。 建築のことは素人でわからないが、... ブックサロン松田源治
ブックサロン 波うちよせる家 遠矢徹彦著 第二十九回泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞 本書は、表題作の他、「ボルバ行方」「ぼくが木の鳥を削り終える日」「光る鍵」「十八号棟」の四編が収録されている。 著者は、一九七八年に井上光晴の〃文学伝習所〃に参加し、季刊「辺境」に表題... ブックサロン遠矢徹彦
ブックサロン 蜂 起 村 伊作著 本書は「城下騒動」とも呼ばれる、江戸末期に起った北遠州の百姓一揆の様子を関係文献と現地踏査を元に小説にしたものである。 万延期は風水害の多かった時期で、とくに万延元年五月には天竜川下流の大出水で付近一帯の田畑は大凶作になり、... ブックサロン村 伊作
ブックサロン ユーデットの夏 倉坪智博著 「春にぞあらまし」が第28回神奈川新聞文芸コンクールで佳作 本書は高校の美術教師と大手不動産に勤務する二人の女性の恋愛を軸として展開する表題作『ユーデットの夏』、山の伝説に憑かれた中年男の恋物語を描いた『ルツェルンにて』、老学... ブックサロン倉坪智博
ブックサロン 私と妻と子供たちと…… 須永 勝著 本書は自叙伝である。著者も後記で書いているが、誰にも、どこの家にもある数知れないドラマと歴史、そして自分では決して結末を書くことの出来ない作品である。 昨年(一九九九年)、三十一年間勤務した小松製作所を退職した著者は、十年程... ブックサロン須永勝