私と自費出版

前田静良

僥倖

僥倖 前田静良  購読紙の朝日新聞紙上で、私は文豪夏目漱石さえもはじめのころは自費出版を重ねていた、という記事に目を留めた。将来、職業作家を志す人たちと、素人が著す自費出版とでは、おのずから目的とするところは、大きく異なるにちがいない。しか...
河合佳兵衛

自費出版は癖になる?

自費出版は癖になる? 河合佳兵衛  他人様はどうあろうと、私には自費出版をして「ああ、よかった」という単純な喜びばかりではなかった。それは随分と神経を使い、お金を遣い、日時を費して仕上げた割合に、その後の処理の問題その他のことでストレスを溜...
八木秀生

出版本に籠めた二つの思い

出版本に籠めた二つの思い 八 木 秀 生  『幕末維新の美女群(維新の立て役者~その歩みと女性遍歴)』と題して、平成十二年三月に四六判一四四頁の自費出版をした。 帯文には「歴史テキストより詳しくて格段に面白い ……実録体小説」と横書きし、帯...
松田源治

それでもあきらめきれない 大手出版社で販売ルートに

それでもあきらめきれない 大手出版社で販売ルートに 松田源治 「原稿の持ち込みはご遠慮頂いております……。自費出版をお薦めします……」  これは大手出版社に出版の依頼を打診した時の丁重なるお断りの返事です。覚悟はしていたものの、一通、二通、...
私と自費出版

わが心の赤裸々と真実を自由に思いのたけ配る本

わが心の赤裸々と真実を自由に思いのたけ配る本 遊 子  潔  どんなに素朴で拙劣な文であろうとも、書き手の思いを親身に思い測り、誤字脱字は勿論のこと、書き手の思いをより読者にとどかせようと真剣に原稿を校正し、アドバイスしてくれるのが「自費出...
峰丘 一

無限の鉱脈を

無限の鉱脈を 峰 丘   一  現代文藝社より『半島の虹』を自費出版してから一年半になる。未発表の前編(一五〇枚)を伏せて、応募した続編(二〇〇枚)が現代文藝賞を受賞した。それを一つにまとめる意味で、手を加えて出版に踏み切った。  ちょうど...
浅香ひとし

四冊の自費出版

四冊の自費出版 浅 香 ひとし  私が「自費出版」を思いついたのは、今から十七年前のことである。若い頃から文学にかかわっては来たが、これといった作品もなく、内容的にも中途半端なものばかりであった。  エッセイ、俳句、小論、小説、野鳥観察、そ...
倉坪智博

電話で綴った愛の小説

電話で綴った愛の小説 倉 坪 智 博  「今晩わ、大沢久美子でーす。一昨日送りましたファックスの訂正もの、いかがでした?」  夕食を終えて寛ぐころに電話が入った。小さな出版社を営む社長さんからである。その声を聞くのはもう数え切れない回数にな...
冨松めぐみ

「いま 花鳥がとぶ」に寄せて

「いま 花鳥がとぶ」に寄せて 冨松めぐみ 伸びる 小さな かたい あさがおのたね この 一つぶに 伸びる力が ぎゅっと つまっているんだよ 根っこを はって つるが ぐいん 葉っぱを かさねて つぼみが つんつん あしたに かがやく 花のか...
私と自費出版

自費出版を体験して

自費出版を体験して 須 永   勝  「自分史を自費出版する」と云う十年来の夢が実現したのは、平成十二年十二月二日であった。 二個の宅急便で届けられた四六判二一八頁・百部の出版本の包みを解き、自分史『私と妻と子供たちと……』を手にしたときの...