ひぐらしの記

ひぐらしの記

やむなく「無題」

目覚めて起き出して来て、すぐに文章を書くことには、わが能力はまったく足りない。そのため、一日の始動にあっては、日々嘆くばかりである。人の能力格差、すなわちわが能力の乏しさは、おのずから生涯にわたりつきまくっている。だからと言って、今さら嘆い...
ひぐらしの記

手つかずの良さ

これまで、私は常夏(とこなつ)と言われる「ハワイ」へ行ったことはない。この先、行かずにわが人生は閉じることとなる。冬の寒さを嫌って夏好きの私には、一度くらいは行ってみたいと、ずっと憧れて夢見てきたハワイである。実際にも私は、常々どんなにか素...
ひぐらしの記

父、母、慕情

茶の間のソファで暖かい陽射しを背に受けて、「日向ぼっこ」に明け暮れていると、生前の父と母の面影が眼前にありありとよみがえる。このことでは私にとって早春のこの時期は、なにものにもかえがたい「至福の時」である。 過ぎた「節分」(二日)そして「立...
ひぐらしの記

目覚めは、「しどろもどろ」

ばかじゃなかろか! 目覚めると私は、思いつくままに「人の歩き方」(擬態語)の数々を浮かべていた。最初に浮かんだのは、人生行路における文字どおり歩き始めとも言える、赤ちゃんのヨタヨタ歩きである。次に浮かんだのは、その終焉間際に訪れるヨロヨロな...
ひぐらしの記

教材

とうとう、春が来た。気象庁はきのう(二月四日・木曜日)、関東地方に「春一番」が吹いたと、発表した。オマケに、統計を取り始めた一九五一年以降では、最も早い記録という。自然界は春夏秋冬の四区分に沿って、淡々とめぐっている。ところが人間界はそうは...
ひぐらしの記

再度のエンストを恐れて……

再始動を果たしているという自信はない。それに向かっての、助走とも言い切れない。強いて言えば、おっかなびっくり感をいだいての試運転である。試運転にはエンストがつきものである。こんな不安な心持をたずさえて、私は頓挫明けの四日目の文章を叩き始めて...
ひぐらしの記

令和三年「立春」

令和三年「立春」(二月三日・水曜日)。現在のパソコン上のデジタル時刻は、0:45である。パソコンを起ち上げる前には、すでに一日の始動の行為である洗面などは済ましている。だから、起き出して来たのは、日を替えたもっと早い時間である。ところが、二...
ひぐらしの記

令和三年「節分」

寝ていても汗をかき、たまらず起き出して来ても、汗があふれている。現在の私はいまだ寒中にあって、異様に暖かい夜のたたずまいの中に身を置いている(2:32)。だからと言って私は、暖かさを素直に喜んではいない。いやむしろ、大きな不安をおぼえて、冷...
ひぐらしの記

私は弱虫

能力無く惰性にすがり、いたずらに書き続けてきた。すると、ちょっと躓(つまず)くとたちまち頓挫した。一月は棒に振った。そのため、意識して月替わりを待っていた。二月一日(月曜日)、現在のデジタル時刻は、夜中の1:57と刻んでいる。梅の花が綻(ほ...
ひぐらしの記

抗(あらが)えようない難局(戦い)

新型コロナウイルスとの戦いは、真犯人と言える加害者がいなくて、みな一様に被害者である。だからこの戦いは、困難を極めている。感染しないようにみずからに打ち克つしか、この戦いの勝利はない。言わば、世界中のだれしもが直面している個人戦と言えそうで...