前田静良

ひぐらしの記

「冬至」

「冬至」(十二月二十一日・月曜日)。私にはきわめて感慨のつのる日である。一つは、「夏至」と対比されて一年のなかで、半年ごとの折り返し点である。一つは最も夜間が長く、そのぶん最も昼間が短い日である。さらに加えれば冬至にまつわる古来の風習、すな...
ひぐらしの記

年の瀬はカウントダウン

十二月二十日(日曜日)、現在、パソコン上のデジタル時刻は3:23と、刻まれている。年の瀬も大晦日に向かって、いよいよカウントダウンの始まりである。ところが、いっこうに年の瀬の感じがない。もちろん、来る日も来る日も新型コロナウイルスの終息に気...
ひぐらしの記

人生の哀歓、いや哀感

十二月十九日(土曜日)、気分悪く起き出している。就寝中、胃部不快感をおぼえていたせいである。おのずから、起き出しても気分が滅入っている。就寝中の胃部不快感は、このところ常態化しつつある。こんなことで現在、文章を書く気分が殺がれている。こう書...
ひぐらしの記

私は弱虫

「人間は考える葦である」(パスカル)。この意味するところは珍紛漢紛(ちんぷんかんぷん)である。しかし、私も人間のはしくれだから、雑駁(ざっぱく)な感情は持っている。そして、日々それに悩まされ続けている。もちろん、多雪地方の人たち、はたまた新...
ひぐらしの記

感涙! 感謝!

十二月十七日(木曜日)、普段とは異なる心境をたずさえて置き出しています(3:46)。ひと言で言えば、人間の情愛の深さに心打たれています。それをもたらしているのは、思いがけなく掲示板上にたまわったご投稿文と三枚の写真のおかげです。お写真は新型...
ひぐらしの記

「時の言葉」

十二月十六日(水曜日)、もうどうにもならない、もうどうしようもない、という共に似たような意味の二つの言葉を浮かべて置き出して来た。浮かべた言葉はもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大にたいしてである。イギリスやアメリカからは、ワクチン接種開...
ひぐらしの記

「おためごかし」

十二月十五日(火曜日)、年の瀬は半ばにある。気象庁の予報どおり日本列島には、真冬並みの寒波が訪れている。北の地方の予報には普段の天気や気温に加えて、競い合うかのように積雪の高さが報じられている。それを聞くたびに私は、身震いをおぼえるところが...
ひぐらしの記

妻同行の歯医者、そして買い物行

十二月十四日(月曜日)、予報によれば今週には寒気が訪れるという。冬季という時節柄、慌てることはないけれど、これまで暖かい日が続いていただけに、寒気に身構えるところはある。いやいや、予報どおりに寒気が訪れれば、きわめてつらい週となる。  確か...
ひぐらしの記

長い夜はつらい夜

十二月十三日(日曜日)、現在デジタル時刻は2:43と刻まれている。一基の蛍光灯の灯る部屋の中は、静寂にいまだ真夜中の佇まいである。わが目は輝いているわけではなく、眠気まなこ状態にある。習性にしたがって目覚めたため、起き出して来たにすぎない。...
ひぐらしの記

寝坊助の心境

十二月十二日(土曜日)、顔に浸す蛇口の水が冷たくて体が震えた。寝起きが遅れて、五時半近くにパソコンへ向かっている。だから、慌てふためいている。起きれば、文章を書かなければならない。このことは、わが身には途轍もなくプレッシャーである。そしてで...