小さな文学館 私と癌
(38)田 端 信 平素住んでいる吉祥寺の街を出ることは滅多になく、電車に乗るのは年二、三回だった。八王子は第一回公判の日と、今日で二回目である。ぼくとしては中央線の一番北へ来たことになり、普通だったら裁判が終って、そのあたりをぶらぶらし...
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大沢久美子