秋分の日

 秋彼岸の中日「秋分の日」(9月23日・土曜日)、デジタル時刻は、5:14。とっくに夜明けていいはずなのに、未だに夜の佇まいである。夜明けが遅いのは、夜明けても朝日が雲隠れしているせいであろうか。実際にはいくらかまだ昼間の方が長いらしいけれど、彼岸の中日は、昼間と夜間の長さが同じと言われている。そして、この日を過ぎれば「冬至」(12月22日)へ向かって、しだいに夜間が長くなってくる。
 秋彼岸の中日・秋分の日に対応するのは、春彼岸の中日「春分の日」である。また、冬至に対応するのは「夏至」である。バカじゃなかろか私は、カレンダー上のわかりきったことを書いている。それでも、書きたくなる確かな季節の屈折点である。
 人間の日常生活は、「春夏秋冬」という季節のめぐりに一日さえ逸脱することなくめぐり、営まれている。そのため、明らかな季節の屈折点は、普段の生活に埋没させ、素通りできるものではない。言うなれば季節の屈折点は、人間の日常生活にメリハリをつけ、心模様の変化をもたらすのである。秋分の日であればこの先の夜長の先駆けであり、同時に人間に冬支度の心構えをもたらしてくる。寒気を極端に嫌うわが心身にすれば秋分の日は、早やてまわしに寒気に慄く入り口となる。しかしながら秋分の日前後は、一年の中で最も肌身に優しい好季節の真っただ中と言えそうである。秋分の日に比べて春分の日は、必ずしもそうとはならず、体験上よく、寒の戻りや小嵐に見舞われるところがある。春分の日に比べると秋分の日の気象の悪態は、悪天候の中でも小雨程度である。
 さて、きょうの秋分の日の夜明け模様はどうか? いくらか夜が明けてきた(5:32)。夜来の雨なく、今も雨は降っていないけれど、やがて雨が降りそうな曇天である。しかしながら、寝起きの心地良さは満点である。週末の土曜日に祝日が重なり、振替休日を一日損したと嘆く必要もないわが身は、心地良い秋分の日である。しかし、明日からの寒気の始まりには要注意である。一方、夜長の訪れには、気にすることはない。