きのう(十月二十八日・水曜日)は、まったく久しぶりに卓球クラブの練習へ出向いた。体育室へ入る前にはおでこの近くで体温計が翳(かざ)されて、女性スタッフ(職員)による検温があった。体温計は、三十六度と示していた。私はにっこり、「平熱です」、と言った。
マスクをしたままで体育室へ入った。三台のピンポン台には二対二の向き合い、すなわちつごう四人で十二人が打ち合っていた。控えのベンチには、ひとりの仲間(女性)が腰を下ろしていた。いつもと比べれば少ない人数だった。しかし、体育室の賑わいはいつもと変わらなかった。
早出の仲間たちは、みな元気に打ち合っていた。私だけが元気から取り残されている気分だった。卓球はマスクを着けたままの決まりになっていた。やはり、気乗りがしないところがあった。私は一人の仲間とやっただけで、ロビーへ出てテレビの前に座っていた。しばらく休んで、自宅へ引き返した。汗かきはもちろん、足慣らしにもならない、卓球クラブの再始動だった。
それにしても仲間たちのうち高齢の女性たちは、みな元気溌剌だった。私は、男女の平均寿命の違いを目の当たりにした思いだった。とりわけ私は、周回遅れの気分に打ちのめされていた。挙句、みずからを鼓舞し、自己発奮を促さざるを得ない証しに晒された思いだった。きのうの卓球クラブにおける唯一の収穫は、この思いを強く自覚したことであろう。まさしく、「人の振り見てわが振り直せ」の直感だった。
さて、この思いは、この先どうつながるであろうか。みずからの気分に、疑心暗鬼をいだく秋の夜長である。