無題

 十一月十四日(土曜日)、長い夜はいっこうに更けない。いまだに真夜中の佇まいにある(3:04)。新型コロナウイルスのことしか、書くことがない。いや、それしか書けない。もちろん、眠気まなこを見開いて、いたずら書きさえする気力もない。いつもの習性で、ほぼいつもの時間に目覚めたから仕方なく、パソコンを起ち上げたにすぎない。どうしたことか、胃腑の不快感に見舞われている。こんなことを書いては私自身、愉快なはずはない。もちろん、掲示板上の投稿ボタンを押すにも、気が咎めている。「休みます」と書いて休むのか、それとも無断欠席を続けるのかと、どっちつかずに陥り現在のわが気分は、とことん揉めている。しかし、いちいち「休みます」と書けば鬱陶しく、私自身はこの先は、仕方なく無断欠席を余儀なくしそうである。
 胃カメラ検査の予約済は、来年の三月十九日である。新型コロナウイルスにおけるPCR検査は、今のところ予定はない。胃腑不快感は、新型コロナウイルスとは無縁のはずである。インフルエンザの予防注射は、すでに済ましている。きょう、病医院へ行くつもりはない。自己診断では原因不明である。強いて言えば医者の言葉を真似て、「加齢のせいですね」で、一件落着である。結局、長い夜をどう過ごそうかと、気分の滅入りに見舞われている。この先、無断欠席ならぬ無断休筆は免れず、おのずから「ひぐらしの記」の終筆の引き金になりそうである。やはり、「休みます」と、書けばよかったのかもしれない。文章の体を成さなくては題の付けようはなく、焼けのやんぱち「無題」とするほかない。ひと言添えれば、ほとほとなさけない。