寒の戻りと節電要請

 三月二十三日(水曜日)、夜明け前。「寒いなあー」。春の恩恵を堪能していたら、飛んだとばっちりを受けている。その一つは、真冬並みへの寒の戻りである。自然界の変事ゆえに抵抗できずに、寒さに耐えて泣き寝入りするしか能はない。もう一つも自然界の織り成す、地震の仕業が根源のようである。だから、これまた抵抗はできない。
 実際にはこのたびの地震により、原発の二基が稼働停止に見舞われているという。挙句、あいにくの寒の戻りのさ中にあって政府は、突然の節電要請を呼び掛けている。わが愛国・日本の国の一大事とあれば、もちろんのほほんとしてはおれない。さしずめわが家は、給湯器と便器の温度を下げている。確かに、小さなことながらこれらとて、節電には大事なことであろう。しかし、明らかな節電効果は、電力を多用する諸施設に頼らざるを得ないであろう。
 このことで心中に浮かぶのは、あさって(三月二十五日)開幕するプロ野球のナイター(夜間試合)の昼間への移行など、覿面に節電効果があろう。もちろん、赤い灯、青い灯、ちりばめる街中のネオンの減灯や消灯なども、効果覿面であろう。日本国民は新型コロナウイルスの感染防止にたいし、一枚岩を強いられて、こぞって我慢強く対応している。これに、新たに節電要請が加わってきた。よしよし! 日本国民の胆力、すなわち協調性と我慢強さの見せどころである。
 それにしても寒いなあー! 泣きべそをかいて、文章は尻切れトンボのままに、書き止めである。朝日(日光)の暖かさを恋い焦がれる夜明けの空である。ところが自然界はそっぽを向いて、花曇りと言おうか、ちっとも朝日の見えない寒空(さむぞら)である。やはり、人間の知恵や、人工の熱源にすがるしか、寒さ逃れの便法はない。