八月五日(木曜日)、へんてこりんな文章を短く書き出している。このところの私は、たった一つのわが願い、すなわち継続文をみずからの意志で断ち、休心状態に逃げ込んでいる。休心状態とは言えもちろん、心身が休まるはずはない。いやむしろ、憂鬱気分はいや増すばかりである。憂鬱気分をもたらしているものには、コロナのぶり返し、それにかかわる医療崩壊、はたまた混乱を極める世情など、ほかさまざまにある。ほかの多くは、わが身周辺の雑事や雑念からこうむる憂鬱気分である。これらに抗しきれずこのところの私は、手っ取り早いところで文章書きを断って、わが身の保全、すなわち休息へ逃げ込んでいる。つくづく私は、弱虫である。
幸いなるかな! あたかも頃は、「東京オリンピック」の真っただ中にある。このテレビ観戦にかこつけて私は、気分の進まない文章書きを沙汰止みにしている。その理由は私の場合、心象で書く文章は、気分が乗らないままではにっちもさっちもいかないからである。そのため現在の私は、早手回しの盆「休みさらには夏休み」をむさぼる心境にある。ただつらいのは短期の休みが明けて、ところがそののち果て無い長期休暇に陥りそうな予感に脅かされている。夏空を愉しむ、心の安らぎが欲しい夜明けである。