梅雨明け間近の夜明け

 きのうは一日じゅう雨降らずで、きょう(七月十一日・日曜日)もほのかに朝日が照る夜明けが訪れている。現在のデジタル時刻は4:46であり、夜の帳が開き始めている。幸いなるかな! 今朝は、乾ききった道路の清掃が望めそうである。加えてきょうは日曜日であり、散歩めぐりの人も増えそうである。そうであれば私は、このところ雨に遮られていた道路の掃除に向かう決意を固めている。おおのずからきょうの文章は、尻切れトンボのままに尻切れである。身勝手をかたじけなく思う、夜明けである。
 掃き終えて、再び閉じていたパソコンを起ち上げている。無心に一生懸命に掃いた。わが出足が早く、さらにはこの懸命さが功を奏したのであろうか。散歩めぐりの人たちとの出会いは、ほとんどなかった。鏡面みたいに綺麗に掃いた。この先、散歩めぐり人たちの朝の日常は、気持ちよく始まるであろう。よしよし、それで良し。ただ私にはもはや何事もできなくなりそう、いや命までもが終焉間近を実感した朝だった。
 「わたしのいのち、これにつづくセミのいのちを思えば、悲しむなかれ!」と、老鶯が切ない応援歌を高音で鳴き続けていた。私は切ない気持ちをたずさえて、禿げ頭にわずかに残る後ろ髪を引かれて、木立を仰ぎながら引き上げてきた。デジタル時刻は現在、6:12である。夜明けの空は曇り始めて、明けきれない。