さずかったご教示(再録)

 六月二十六日(土曜日)、現在の私は、わが恥などかなぐり捨てて、真摯な気持ちをたずさえて書いている。実際のところはきのう(六月二十五日・金曜日)の、高橋弘樹様の掲示板上のご投稿文にたいし、あらため御礼と感謝の意をたずさえている。同時に、一読のままでしだいに記憶を薄れさせては、相済まない思いにも駆られている。このため私は、さずかったご教示を原文のままに記して、『ひぐらしの記』への転載を試み、こののちのわが教科書として留め置くものである。実際のところ私は、高橋様の心優しさと確かな能力にひれ伏して、こうせずにはおれなかったのである。なかんずく、人様からさずかった教えを、きわめて的確に人(私)へ教えてくださる能力の素晴らしさには、私は驚異と同時に感極まるものがあった。もとより私は、高橋様とはまったく面識(対面)はない。それにもかかわらず私は、高橋様のずば抜けた心優しさに出合えたのである。
 きのうの私は、高橋様のご投稿文にさずかり、まさしく「是れ好日」の至りだった。すなわち、高橋様のご教示は、「創作文が書けない」という、わが嘆きにたいする、天与の恵みとも言えるありがたいものだった。きのうの御礼と感謝は、寝坊助の祟りすなわち、ご投稿文をチラッと垣間見ての、走りながらの御礼と感謝にすぎなかった。そのためそののちの私は、その非礼に耐えきれず悶々していた。この気分を払拭するためには、私はあらためて御礼と感謝の意を書かずにはおれなかった。なぜなら私は、そののちの数回の読み直しと読み耽りから、感極まっていたのである。
 「下記に前田さんへ現代文藝研究所所長田端信先生の小説の指導方法を伝授致します」。①小説の素材についてお困りとの事ですが、前田さんの周りを見渡せば、奥様・あおばちゃん・御近所の方々・TELでの会話・スーパーやコンビニでのお買い物(そこでの店員さんとの何気ない会話)・前田さんの御自宅周辺の自然(植物や木々を擬人化して小説を書く事もできます)etc.とたくさんの素材があります。それらを捉えて具体的に目に浮かぶように文章で表現して行く事になります。エンターテインメント小説の場合は、書き始める前に登場人物やストーリー展開・構成をしっかり考えておかないと、行き詰まってしまいますが、純文学小説の場合は、部分から拡げて行く方法を取る事ができますので、前田さんにとっては、このジャンルの小説をお書きになる事が1番だと思います☆要するに小説は、具体的に表現した場面の積み重ねでもありますので、まずは前田さんの周りのエピソード等から具体化するとよろしいかと思います。ただ、事実をそのまま具体化しても拡がりがありませんので、デフォルメという手法を使います。これは、前田さんが人様とお話をする時に、事実を変えたり、冗談を交えたりする事もあるかと思いますが、それを文章に置き換える事です。話を膨らませる事で、これが想像力に繋がっていきます。②小説の表現方法を大学のようにレクチャーする事は、非常に難しいので、前田さんがお好きな作品(短編小説や掌編小説が良いです)を原稿用紙に書き写す事は、かなり有効です!!  これは、文章が書けなくなった時もテキメンに効果があります!! ですが、今ドキ、手書きは疲れますので(笑)、パソコンのワード機能をお使いになったほうがよろしいかと思います。この書き写しの方法で、前田さんがお気づきにならなかった文章の表現方法・場面の構成・創作方法が自然とわかってきます。今の前田さんには、以上2点の田端先生の指導方法が最有効かと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます(_ _)。
 高橋弘樹様、ご教示にたいしてなんども、御礼と感謝を申し上げます。現代文藝社から賜っている、同志と同士の喜びが身に沁みています。文尾ながら、高橋様のますますのご活躍と、ご健勝そしてご清祥を祈念いたします。梅雨の合間の梅雨空の朝日は、今朝はピカピカと輝いています。