MINOs著
軍用トラックの荷台に八人の捕虜を乗せて収容所に輸送途中、突然捕虜の一人が踊り出す。タン、タン、タンタタン。タンタタタタン、タンタタン……。兵たちは大声で止めろと命じたが、他の七人の捕虜までが狂ったように踊り始めた。私はもはや八人の捕虜たちを収容所まで輸送し味方に引き渡す事が何の意味もない事に感じられてきた。これは最初の作品「タンツ(TANZ)」である。
「彼方へ!」「カラフル・スパークリング・ボンボン」そして「獄門」最後に「カラフル・スパークリング」ワインのCM。
「あの男」はそのままふらふらと歩いて行き、そして交差点の横断歩道の上に倒れて、そこで爆発した。シュワーッと音がしただけで激しい音はせず、青や白や赤の火花が散って、まるで花火のようだった。…人が爆発した破片というのは生々しいものと思っていたが、そうではなかった。足元に一つ落ちていたのを拾ってみたが、それはカラフルなボンボンのようなもので、ウィスキーの染み込んだ虹色の砂糖のかけらのような感じに見えた。最近は人が爆発する事に誰も関心を示さなくなっていた。それで、私もそのかけらを捨てた。(カラフル・スパークリング・ボンボンより)
あらゆる物が溢れ、飽和状態になってしまった文明社会、しかしそれは本当に人類が求めている豊かな社会であるのだろうか。一方では戦争、地球の汚染、飢餓、病気等など人類は病んでいる。そうしたことへの警告となる一冊と言っては言い過ぎだろうか。読者の受け取り方によっては、意味深い作品集である。(自費出版ジャーナル第19号)
「彼方へ!」「カラフル・スパークリング・ボンボン」そして「獄門」最後に「カラフル・スパークリング」ワインのCM。
「あの男」はそのままふらふらと歩いて行き、そして交差点の横断歩道の上に倒れて、そこで爆発した。シュワーッと音がしただけで激しい音はせず、青や白や赤の火花が散って、まるで花火のようだった。…人が爆発した破片というのは生々しいものと思っていたが、そうではなかった。足元に一つ落ちていたのを拾ってみたが、それはカラフルなボンボンのようなもので、ウィスキーの染み込んだ虹色の砂糖のかけらのような感じに見えた。最近は人が爆発する事に誰も関心を示さなくなっていた。それで、私もそのかけらを捨てた。(カラフル・スパークリング・ボンボンより)
あらゆる物が溢れ、飽和状態になってしまった文明社会、しかしそれは本当に人類が求めている豊かな社会であるのだろうか。一方では戦争、地球の汚染、飢餓、病気等など人類は病んでいる。そうしたことへの警告となる一冊と言っては言い過ぎだろうか。読者の受け取り方によっては、意味深い作品集である。(自費出版ジャーナル第19号)