6月25日(火曜日)。梅雨の合間とは思えない、朝日輝く夜明けが訪れている。気象庁の梅雨入り宣言(6月21日)から間もないきのう(6月24日)は、心中で(もう梅雨明けかな…)と、呟くほど高温の陽射しに見舞われた。梅雨どきは、いつ雨になるかわからない。そのためきのうの私は、いつもの買い物の街・大船(鎌倉市)へ、勇み足で買い物へ出かけた。買い物を終えて、帰途に就いた。背中の大きなリュックは、「ダルマさん」さながらに膨らみ、限界までに重量を増していた。両手提げの布製の買い物袋は、これまた膨らみと重量で下がり、ときどき路面をこすった。そのたびに私は、慌てて引き上げた。代わりに汗が、額と首筋から路面に落ちた。売り場に並んでいたもので、神妙に出来具合を確かめたけれど、買いの手先を引っ込めたのがあった。それは、縦筋の緑の皮に覆われたトウモロコシである。結局、私は前歯の欠けを懸念し、買わずじまいだった。このことはすでに書いた記憶がある。それでも繰り返すとそれは、上の前歯中央の一つの欠損である。大好物の「井村屋の硬いアズキキャンデー」を噛んだおり、突然欠け落ちたのである。びっくり仰天、悔しさに唖然としたけれど、後の祭りだった。ところが痛みはなく、歯科嫌いのせいもあってその後は、ぽこリと穴を空けたままにほったらかしにしている。トウモロコシを手にしながら私は、しばし前歯の欠けに思案をめぐらしていた。挙句、買いの手先を引っ込めたのである。子どもの頃からこれまで、トウモロコシの食べ方は、前歯すがりのガジガジ齧(かじ)りである。この食べ方は、山から庭中へやってくる台湾リスとまったく同様である。上の前歯中央が穴ぽこであれば、もはやトウモロコシの齧りはできない。このことを決断して私は、未練を残しながらもその売り場から離れた。きょうの文章は、梅雨の合間のダジャレ文である。いや、老いの証し文でもある。朝日の輝きは、さ迷い始めている。