6月8日(土曜日)。日本の国の鎌倉地方の朝は、気象庁の梅雨入り宣言前にあって、穏やかな夜明けにある。こんな突拍子の書き出しをしたのは、木村様にたいするちょっぴりのお礼返しである。私は常にふるさと慕情に駆られている。ところが木村様の場合は、日本の国を故郷と思うほどの広大かつ高邁な慕情であろうか。異国・大陸・中国(江西省南昌市)に、教師として赴任中の木村様から、当国の官製絵葉書を戴いた。お葉書を戴くたびに私は、切手や絵葉書の異国風景を凝視し、そして未知の国への情緒をつのらせている。感謝感激である。
きのう書いた文章には、お二人様からメッセージを賜った。大沢さまの場合は、わが夫婦の現在の生き様にたいする「いたわり」のメッセージだった。メッセージを読み終えると、萎えていた心に沸々と勇気が涌き出た。御礼は、これまた感謝感激である。高橋弘樹様の場合は、いつものエールに加えてきのうは、ご自身の体験を踏まえて、ありがたいアドバイス付きの文字どおりの応援メッセージだった。またまた、感謝感激である。御礼の心には、グダグダと多言は無用である。ゆえに、お三方のメッセージに合わせて、一行だけの御礼の意思を伝えるものである。もちろん「ひぐらしの記」は、常に掲示板上の声なき声の励ましにも支えられている。だからこの文章は、総じて「ひぐらしの記」が取り持つご縁として、感謝感激の一文を書いたものである。
高齢を生きるわが支えは、「ひぐらしの記」からさずかる、人様のご厚情一辺倒である。日々、感謝感激尽きることはない。文尾にあたり、木村様の絵葉書の一文を無断で借りることをお許し願えば、こう書かれている。「当地は梅雨が終わり、すっかり夏の陽気です」。浅薄なわが知識は、中国にも「梅雨」があることさえ知らなかったのである。日本の国の鎌倉地方は、まもなく梅雨入りである。鬱陶しい梅雨をしばし遠のけるかのように、制限時間付きの朝日がキラキラと輝いている。