「山は緑」、「里は心」

 「みどりの日」(5月4日・土曜日 祝祭日)。文字どおり「山は緑」、好季節の到来である。わが家周りの緑は、夜明けの光に美しく映えている。この時季、自然界の恵みには私にかぎらず人は、謳歌と称賛きわまりない。まさしくゴールデンウイークは、この恩恵に支えられて人は、海・山・故郷、あるいは国境を越えて、旅気分を満喫にある。それに浴しない私には確かに、羨望や妬みや僻みはある。しかしながら一方、人様の喜悦や幸福は、眺めているだけも心が和み、絵になる光景でもある。いや確かに、テレビニュースで観ているだけでも心地良く、一服の清涼剤になっている。
 これにちなんでごく近場で、いやパソコンを起ち上げるとすぐさま、心地良さに酔いしれるものがある。それは季節に応じて入れ替わる、掲示板上掲の大沢さまのご実家(別荘地模様)の写真である。現在の写真は、ご実家(建屋)へ導く小道の土(灰色)と、それを囲む木々の緑のツートンカラーが綺麗に映えている。まさしく季節に応じた、大沢さまのお心くばりである。この写真で驚異をおぼえるのは、小道も木々もまさしく別荘地の装いさながらに整然と手入れが為されていることである。入れ替わる写真を見るたびに私は、大沢さまの無類ない才能に唖然とするばかりである。なぜなら、本業(出版業・現代文藝社)においては独り、多忙を極められていることを知るゆえである。そのうえこれまた季節に応じて掲示板を賑わす、野菜や花作り(畑たより)などがある。そのたびに私は、大沢さまの才能のほとばしりにあずかっている。きょうの起き立ての文章は、このことを書かずにおれなくて、書いたものである。しかし、書き足りないままに結ぶのは、わが能無しゆえである。詫びる心に、和みがつのっている。気分、きわめて爽快である。どこかえ出かけた、旅気分である。