旅気分の夜明け

 憲法記念日(5月3日・金曜日)。憲法を定めた人間の知恵に感謝する。太陽の恵みに感謝する。まるで、草野球でグランドスラム(満塁ホームラン)を打ったような、胸の透く(会心)夜明けが訪れている。愚痴こぼしは言わない。無駄なことは書かない。なぜなら、いたずら書きを添えれば、会心の気分が壊れそうである。ゴールデンウイークにちなんで、一つだけ添えれば、これに尽きる。きのうの夕方、私は「鎌倉めぐり」のハイカーに備えて、舗面のゴミはいっさい取り払い、側溝の草はすべて抜き取り、丁寧に道路一面を綺麗にした。今や他郷とは言えず地元民をなす、わがおもてなしの心意気である。
 パソコンへ就く前にカーテンと窓ガラスを開けて眺めると、いまだ道路は、まるで鏡面のごとくに綺麗さをとどめていた。私は気分良く椅子に座り、パソコンを起ち上げた。そして、出合い頭にこの文章を書いている。ところが、もう閉じる。こののちは、前面の窓ガラスを通して、しばし朝日輝く青空を眺めて、ゴールデンウイークの真似事に酔いしれるつもりである。憲法にすがることなく、人間同士の諍(いさか)いのない世になれば、それで十分である。
 そしてさらに、太陽の恵み、自然界の恵み、そして万物の恵みが加われば、この世に生きる楽しみがある。ウグイスも地元民の仲間として、歓迎のしるしにもう鳴いている。旅気分全開の夜明けである。