ひぐらしの記 バカな、私 十二月三日(土曜日)。口内炎の再発症による痛みのせいで、目覚めて起き出してきたら、身に沁みる寒気が訪れていた。この時季にしては異常気象と思えるほどに長く、暖かい日が続いていた。当たり前のことだけれどこの寒さは、不意を突かれたとんだお邪魔虫で... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 早暁、いや未明(午前四時) 十二月二日(金曜日)、観るつもりで、構えて起き出してきたのではない。ところが、目覚めて起き出して来た時間は、偶然にもサッカー、対スペイン戦の試合時間と重なっている。日本国民の多くの人たちは、寝ずにこの時間を待っていた。そう思えば、せっかくの... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 年の瀬初日は、迷い文 十二月一日(木曜日)。いよいよ、令和4年(2022年)の最終月が訪れている。人生の晩節を生きる私には、あまりにも速い時のめぐりを感じて、心寂しさつのるものがある。大袈裟好きのわが表現を用いれば、寂しさと侘しさに絡まれて、心身が圧し潰されそう... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 十一月末日、「感謝と御礼の大志」 十一月三十日(水曜日)。現在の壁時計の針は、きのうの夜更けを引き継いで、いまだ「丑三つ時」(午前2時から2時半頃)あたりをめぐっている。目が冴えて二度寝にありつけず、起き出して来た。起きたからにはパソコンを起ち上げるのは、わが身にこびりつい... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 防空頭巾、ヘルメット、マスク 十一月二十九日(火曜日)。雨戸開けっ広げの窓ガラスを通して太陽の光は見えず、頭上の二輪の蛍光灯の明かりが灯るだけの未だ夜明け前にある。起き立ての私は、こんなことを浮かべていた。ネタ無く、浮かんだ事柄に縋り、つらつら書き続けるつもりである。一... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 疲れがもたらした「オマケ」 十一月二十八日(月曜日)。夜明けまでは遠いもののぐっすり眠れて、起き出している。きのうは、まったく久しぶりに卓球クラブの練習へ出向いた。身体不自由の妻の世話係や、自分自身のままならない日常生活などのゆえに、気分の滅入りに遭って出向きは、長く... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 迷い文 十一月二十七日(日曜日)、壁時計の針は五時半過ぎを回っている。しかし、夜明けの明かりはまだ先である。このところ、厭きることなく繰り返している書き出し文である。おのずから自分自身工夫なく、それゆえになさけなく思う書き出しである。 日々、様々... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 老境の哀しみ 十一月二十六日(土曜日)、目覚めて寝床の中で、しばし気分直しをして起き出して来た。壁時計の針は五時近くだけれど、前方の雨戸開けっ広げの窓ガラスを通して、未だ暗闇である。夜長は冬至(十二月二十二日)へ向かって、まだまだ長くなるばかりである。こ... ひぐらしの記前田静良
ひぐらしの記 混雑する会場に、人間が紡ぎ出す「美的光景」 十一月二十五日(金曜日)、夜明けまでは、未(いま)だのところで起き出している。この文章を閉じる頃には、天気模様の判定がつきそうである。今、気懸かりなのは、きのうできずじまいになっている道路の掃除である。おとといの雨は夜が明けると、山からの落... ひぐらしの記前田静良