10月17日(火曜日)。きのうの真っ青な日本晴れとは視界を変えて、薄い青空に淡く色彩を帯びた夜明けが訪れています。それでも、のどかな夜明けの装いでは、日本晴れ一辺倒よりこちらが勝ります。きのうは朝っぱら胸の透く日本晴れ、そして昼間はこれぞ「秋晴れ」という、季節の恵みを堪能しました。身体を取り巻く空気は満遍、汚れなく澄み切っていました。これに応えて文字どおり、身も心も爽やかになりました。すると、予告の行動にしたがって私は、いつもの大船(鎌倉市)の街へ、心勇んで買い物に出かけました。この日の買い物の目当ては、果物の秋が恵む蜜柑と柿でした。蜜柑は、故郷の熊本産・ブランド名「玉名(市)みかん」を一網(一キロ強)買いました。柿は和歌山県産で、「種無し」表示を欲張って、10個ほど買いました。柿だけで、1キロ半近くの重さになりました。目当てどおりにこれらだけにすればよかったけれど、妻はお構いなしにスマホメールで、幾多の買い物メモを垂れ流してきました。メモ(妻)にあらがうことなく私は店舗を変えて、一つ違わず買い重ねました。
バスを降りて、背中に大きな買い物リュックを背負い、なお両手提げのヨロヨロ足で、家路に就きました。わが家に着いては鍵を取り出すことさえままならず、玄関ブザーを押しました。しばしの時を置いて、茶の間からヨタヨタの妻の足音が近づいて、老いた妻の顔出しでドアが開きました。私は「重いよ!」とは言ったけれど、買い物メモの垂れ流しをなじることなく、「きょうは秋晴れのいい天気だよ」と、付け加えました。憤懣やるかたなしを抑えた、秋晴れに救われた「買い物行」だったのです。
ここまで書いている間に大空は、先ほどの色彩は消した真っ青の日本晴れです。私は朝・昼・夕な、大空模様を眺めるのが大好きです。それゆえに、掲示板上部に掲載の、大沢さま撮影の白雲いだく日本晴れの写真は、もとより始終、わが心象の癒しをになっています。晩秋の季節はようやく、本来の「秋晴れと寒気抱き合わせ」の正常になりました。
寝起きの私は、幼稚な「綴り方」を書きました。それでも、秋晴れがこれまた、わが恥を救ってくれました。だから、「書かなければよかった」とは思っていません。たぶん、「秋晴れ、万歳!」のおかげでしょう。