頃は好し、だが……

 10月6日(金曜日)。「スポーツの日」(10月9日・月曜日)を含む、明日(10月7日・土曜日)からの三連休を前にして、ようやくそれに見合う清々しい朝が訪れている。9月より月替わって10月初旬のこのところの朝は、名前負けをこうむり気候はぐずついていた。おのずからわが気分は滅入り、文章を書くことなく過ぎていた。すなわち私は、生来の怠け者に堕して、憂鬱気分に陥っていた。挙句私は、もう「ひぐらしの記」の再始動にはありつけない、思いにとり憑かれていた。惰性で書いてきただけの私は、それが途絶えると怠け者特有の安着気分に陥り、書かない安穏に耽っていた。
 ところが、一方では(これはまずい)とあがいて、すっきりした安穏気分ではなかった。この間の私は、身体は健康であっても、精神(力)が崩れていたのである。こんな気分は現在、満天さわやかな日本晴れに救われている。これこそ、願ったり叶ったりの晩秋の麗しい胸の透く風景である。まさしく総天然色の一大パノラマである。
 日本晴れの下、学び舎や地区の行政は、新型コロナウイルスにかかわる懸念が薄らぎ、運動会や体育祭の催行におおわらわであろう。確かに、わが小・中・高・大の修学時代にあっても、かつての「体育の日」(10月10日)や前後近辺は、運動会や体育祭がたけなわだった。顧みれば初回(第一回)の「東京オリンピック」(昭和39年・1964年)もまた、10月10日を開催日として、10月24日までを会期にしていた。これらを鑑みれば現在は、春夏秋冬すなわち一年の中にあっても、最も好季節と言えそうである。だったら、メソメソしていたら大損である。挙句、私は「牛にひかれて善光寺参り」の心境で、ようやく途切れていた文章の始動に漕ぎつけている。
 しかし、こんな文章ではもちろん、確かな継続はおぼつかない。けれど、再始動の足しになればと願っている。大海原とまがう日本晴れの青さは、朝日に光ってキラキラいや増している。