望月窯だより

 八月二十二日から二泊三日で末の妹と古河市の実家を訪れた。毎年落葉の降り積もった屋根や樋、ベランダの落葉の清掃と建物の点検のため、建物を建ててくれた先代からお世話になっている建設会社に依頼している。今年も六月に依頼して記念館の屋根が傷んでいるので新しくしてもらうことにした。今回訪れた時、足場を組んであって、屋根屋さんが一人で仕事をしていた。この職人さんは、母屋を建てたときからの人である。炎天下に黙々と働いてくれていた。私も妹も負けじと草取りをした。休憩のたびに汗でずっしりと重くなった作業着を着替え、山のようになった洗濯物を洗った。
 翌日、建設会社の若社長が訪れて作業の途中経過を報告してくれた。
とにかくこの時期は、草の成長に追いつかず、綺麗に抜いても再び訪れた時には元の木阿弥状態だ。それでも懲りずにやれるのは、私も妹も健康で達成感を楽しめるからだ。
 今年は、夏野菜の収穫もあり、ようやく二個成ったスイカが一つは収穫時期が過ぎて腐ってしまったけれど、一つはどうにか味見ができた。
 訪れるとまず父母と弟、先祖代々の祀ってある神棚に向かって手を合わせ、感謝し、お守りくださいと祈る。帰宅するときは、「今回もよく働いたね。楽しかったね。ずいぶんすっきりとなったよ」などと語り合って帰路につく。望月窯は私と妹の心の拠り所になっている。