望月窯だより

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六月六日から二泊三日で古河の実家に滞在した。雨模様のくずついた
天気だったので、思うように草取りは出来なかったが、それでも楽しい
ことはたくさんあった。
 二日目の草取りの最中に、手元を何やら勢いよく走り抜けた。驚いて
声をあげることも出来なかった。目で追った先に黄土色の動物の後ろ姿
があった。長い耳が立っていたのでどうやら野ウサギのようだった。
 その後、妹が「お姉ちゃん、気持ち悪い物がある」と声をあげた。
「なんか、柔らかくて触ると弾んでいる」と言う。
 よく見ると、蒸した大豆に似た緑がかった薄茶色の形の物が草むらに
五、六粒固まって落ちていた。どうやら糞のようだ。
「ウサギの糞じゃないのかしら」と私が言うと、動物好きの妹が、
「お姉ちゃんが見たというウサギの巣があるんじゃないの。草が茂って
いたので安心して暮らしていたのかもしれないね。かわいそうだね」
 と言った。
「草を取らなくちゃあ萱が茂って、大変なことになるから、お引っ越し
してもらうしかないね」
 と、笑い合った。
 待ち遠しかった里芋がやっと芽を出して、スイカが蔓を伸ばしていた。
夏野菜のキュウリ、ナス、レタス、春菊、小松菜、モロヘイヤなどを
収穫した。