フクさんのお友達のヒサちゃん

古河の実家の畑に置いているかかしのフクさん独りぽっちにしておくのは忍びなくて、お友達を作ろうと思い立った。どうせ作るならちゃんとしたものを作ろうとインターネットで人形の作り方を取得した。型紙も作り方も出ているのだけれど、それを理解するのがなかなか難しい。試行錯誤でやっているさなか、パソコンの保守をお願いしている方から「WindowsXPは不具合がおきているようなので、やはり今のうちにWindows7に交換した方が良いようです」とのメールが入った。さっそくお願いすることにして予定を立てた。一日で完了するとのことなので気楽に構えていたら、いざ交換してみると次々に問題が起こり、とうとうホームページのリニューアルで躓いてしまった。
その間に、母の見舞いや発行日のせまる流星群だよりの編集、流星群の原稿入力、など慌てふためいてしまった。少し時間ができたので人形作りにと思っていたのが油断大敵だった。しかし、やりかけた人形作りも未練があり、早く仕上げてみたいという欲望には勝てなかった。合間合間に針を持ち、どうにか仕上げて、母の見舞いに持って行った。「何か特別なものなのですか」と看護師や介護の女性たちに聞かれ、「私が作った人形です」と答えると、「病院にたまに母の大切にしていたぬいぐるみですと言われて持ってくる方がいらっしゃいますよ」とのことだった。
その後、この人形に母の名前の一字をとって、「ヒサ」ちゃんと名付けて、かかしのフクさんの隣に座らせておいた。かかしにするのはもったいないと言われて、ちょっと躊躇したのだけれど、「当初の目的どおりにしたらいい」という夫の言葉で決心がついた。かかしの隣に座らせたヒサちゃんの写真をちょうど母の見舞いに来た下の妹に写メールで撮ってもらった。よく撮れているので掲示板に投稿することにした。
昨夜、どうにかホームページも完了して、パソコンも順調に動いている。さあ、これからまた編集作業に忙しくなる。私の原稿もまだなのだ。これもまた生きているということなのだと自分に言い聞かせ励ましている。
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