言葉

 十一月二十二日(金曜日)。定時(五時)よりかなり遅い起き出しをこうむり、気が焦っている。すっかり、夜が明けている。雨の無い冬空の夜明けである。焦りの気分にネタ探しの迷いが加わり、焦りは弥増(いやま)している。するときょうは、みずからの文章はほどほどにして、多くはスマホの記事を引用しようと、思っている。まるで、コソ泥の心境にある。
 きのうの「WBC12」(野球の世界大会)・スーパーラウンド第一戦、日本代表チーム・侍ジャパン対アメリカ代表チーム戦は、侍ジャパンが9対1で圧勝した。優勝に向けて、侍ジャパンは幸先の良いスタートを切ったのである。
 私は学童の頃より野球好きである。「好き」という言葉は、あらゆる物事に共通し普遍的であり、きわめて重宝する言葉である。まさしく、アイ、ラブ、ユウ(物事)である。ところが、好きを外来語(主に英語)で表されるようになると、スポーツ競技などでは好きという言葉は遠のいて、野球ではファン、サッカーではサポーターなどが混み入ってきた。馴染みのある、ファン一辺倒でよさそうである。確かにファンは、心地良い共通語ではある。「ファン:特定の人や事象に対する支持者や愛好者のこと」。だから、「私は大相撲ファンです」と言っても、人様から眉を顰(ひそ)められることはない。もとより、大相撲は世界のスポーツ(各競技)とは出所が異なり、日本誕生である。ゆえに、大相撲界特有(特異)の言葉が内在している。今さらスマホにすがることもなく、すでに知りすぎているけれど、きょうはネタ切れにともない、二つの言葉をスマホ片手におさらいするものである。
 【タニマチ】「相撲界の隠語で、ひいきの力士を無償で援助する、個人的スポンサーをさします。力士を食事に連れて行ったり、金銭的な援助をする存在です。『タニマチ』という語源は、明治時代に大阪・谷町筋にいた相撲好きの医師、薄恕(すすきじょいち)一氏に由来しています。薄氏は、相撲部屋の宿舎が集まる大阪の谷町で外科病院を開業し、力士を無料で治療したり、土俵を作ったりしていました。力士たちから慕われ『タニマチ』と呼ばれ、そこから広く後援者をタニマチと呼ぶようになりました。現在では力士だけではなく、他のスポーツ選手や芸能人にもタニマチがいます」。
 【好角家】「角力(すもう)を好きな人のことを意味する慣用句です。相撲(角力)は古くからあり、ファン(fan、熱心な愛好者)という言葉が認知される以前は、一般的に『相撲(角力)好きの人』を好角家と呼称していました。昨今では『相撲ファン』という言葉で通じることが多くなっています」。
 なんだか、二日続いてだれも読まない長い文章を書いてしまった。またまた平に詫びるところである。だんだんと遠のいて行く生涯学習には、切ない思いがつのるばかりである。気分晴らしは、朝にかけて照り始めている胸の透く日本晴れである。