「天皇誕生日」(2月23日・金曜日、64歳)。天皇陛下には現人神(あらひとがみ)という尊称がある。しかし、神様ではない確かな証しには、天皇陛下も私同様に年齢を重ねられる。誕生日にはご家族そろって、祝膳を囲まれる。ところが私と異なるのは、誕生日にあっては国民にたいし、かつては勅(みことのり)を、現在はお言葉(コメント・メッセージ)を述べられることである。このしきたりにしたがって今回も天皇陛下は、記者会見を通してすでに国民たいしメッセージを述べられている。
天皇陛下のお言葉には例年、ご誕生日近辺における日本社会の世情、この一年において日本社会に起きた出来事で気に留められたこと、そしてご家族の近況などがある。この文章は、記者会見にまつわる記事を一部引用しながら書いている。すると天皇陛下は、今回は会見の冒頭に能登半島地震にたいするご心痛を露わにされている。それは亡くなられた方への哀悼、遺族や被災された方々へのお見舞いの言葉として述べられている。さらには、被災地の復旧、復興も願われている。そして、「ご訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」と、被災地訪問の意向を示されている。
日本社会の出来事で気に留められたことでは、若い世代の活躍として、これらを述べられている。スポーツの世界で野球のWBCでの日本代表チームの優勝や、米国メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の満票でのMVP選出、将棋の藤井聡太さんが史上初の8冠を達成したことを上げ、「若い世代の人々が、日々の努力の積み重ねにより新たな世界を切り開いていく姿は、私たちに明るい夢と希望を与えてくれました」。ご家族のことでは愛子さまの日赤へのご就職、そして皇后陛下・雅子さまの岩手県や北海道、鹿児島県、石川県への訪問、さらにはインドネシアへの訪問を喜ばれている。
天皇誕生日の天候は、「あいにく真冬並みに寒さ」と、きのうの気象予報士は告げている。天皇陛下ご一家の、この先の安寧なお暮しを願うところである。わが脳力の衰えは日々自覚できるけれど、認知症への罹患は自覚できず、他人様の言葉や動作で知覚するだけである。
このところのわが文章には、やたらミスが目立っている。脳力の衰えのせいと自覚しているけれど、他人様は認知症の兆しと思われているかもしれない。春先の天候不順は、夜明けにあって身に堪える寒さである。