明日の「建国記念の日」(日曜日)に続く「振替休日」(月曜日)を含めて、三連休の初日(2月10日・土曜日)が訪れている。現在のデジタル時刻は、未だ夜明け前にある(4:39)。わが身を襲う寒気は緩んで、確かな「春の足音」が響いている。いくつか、道路脇に薄汚れた「小だるま」みたいに縮こまっていた最終の雪の姿は、まるで炬燵の上の「まん丸の猫背」のように見えていた。ところが、この光景もきのうですべて消えて、視界一面には平常の風景が現れ、つれて人の生活は、ほぼ三日前の日常に復していた。
いくらか、気が早いけれどこののちに降る雪は、季節忘れの「名残り雪」と言えそうである。名残り雪には二つの意味があると言う。一つは雪の多い地方で春になっても消えず残っている雪という意味であり、一つは春に降る雪という意味である。わが用いた名残り雪は、もちろん後者である。しかしながら、この先(2月29日)までの間に再び降れば、名残り雪とは言えそうにない。するとたちまち、わが貧弱な脳髄は混迷に陥ることとなる。挙句、「また、降った」と言って、お茶を濁す羽目になる。
このところの私は、みずからの怠け心にみずから鞭打って、かなり気張って文章を書いてきた。ところがその文章は、長いだけのだらだら文に堕していた。このことで、私は疲れた。ところが、ご好意で読んでくださるご常連の人たちには、はるかに疲労をいや増している。だからきょうはそれを詫びて、文章とは言えない文章のままで、書き止めるつもりである。しかし、先ずは身勝手に、わが指先を休めたいと思う。ご常連の人たちもまた、疲れている気分を休めて、春先の三連休をたっぷりと楽しんでほしいと、願うところである。
気象予報士が伝えた三日間の予報には雪降りの徴(しるし)は見えず、ぽかぽか陽気の春モードになっていた。野原を周遊すれば、「つくしんぼ」が立ち始めているかもしれない。ウグイスは藪の中で、「チチ、チチ」と鳴いて、トレーニング中かもしれない。表題は二つの意味をおさらいしたことから、ズバリ「名残り雪」でいいだろう。夜明けの光はまだ見えない。