懐かしいヘチマ

 懇意にしていただいている建設会社の社長から繊維に姿を変えたヘチマをいただいた。社長自らの手で作ったものだという。
「今年はヘチマが沢山出来たので試しに作ってみました。社くさいくさいと文句がでましたよ」
 と笑っておられた。
 私は子供の頃に、母が防火用水の中にヘチマを入れて作っていたのを思い出し、懐かしくなった。
 社長から頂いたヘチマのスポンジは、色白でやわらかくて思わず頬に当ててみた。そして洗顔に使ってみると優しい感触でなかなか心地よい。
 ヘチマの果肉が腐って繊維だけ残る課程は、確かに鼻をつまんで顔を背けるほどの悪臭であるけれど、出来上がったスポンジは素晴らしい、自然に優しい品である。
来年は私も作ってみたくなる頂き物だった。