9月3日(日曜日)、すっかり夜が明けて、清々しい秋の朝が訪れています。夜間に原稿の校正をしたため疲れ果て、寝坊助になり起き出してきました。今、心中にはこんな思いをたずさえていました。自然界は夏の暑さの罪償いに躍起となり、月替わり早々から、人間の心身を冷ややかに癒し始めています。自然界に比べると人間界の罪作りの償いは、見る影もありません。多くは訴訟を通して裁判沙汰へ持ち込まれて、あれこれと言い合って長い年月を要します。「生きとし生けるもの」にあって唯一、感情の動物と崇められる人間は、実際には醜い罰当たりの感情を持っているのでしょうか。訴訟や裁判沙汰、はたまた多くの金銭や財貨を費やしてまで償いはしなくても、一言素直に謝れば多くの人間は、それで気分すっきり済むのです。崇められる人間界は、こんな世の中になりたいものです。
老獪きわまりない知恵者が悪知恵を授けるのです。「物事の決着には、最初に決して謝るな! 最初は必ず否定しろ!」などと指図して、解決の糸口を摘み、挙句には罪償いの機会を失くし、訴訟や裁判争いへのアドバイスやサゼッシションをするのです。すぐに「すみません」と言えば、多くの人間はそれだけで気分よく、互いを励まし合って、別れることができるのです。私は自然界の罪償いの爽やかさにひたり、こんなことを浮かべていました。
そしてこのことを、約10分間書きました。これで書き止めです。この先は、自然界の恵みに浸ります。夜明けの大空は、まったく外連味のないさわやかな日本晴れです。自然界の素直な罪償いにあって、私は過ぎた夏の暑さは、もう忘れています。ありがとう。