夏風邪憂鬱、かき氷快感

8月5日(土曜日)、朝日輝く爽やかな夏の朝が訪れています。網戸を通して、涼やかな夏の朝風が入っています。幸いにも私は、生きています。ところが、気分は憂鬱です。毎年見舞われる夏風邪をひいたしまったせいです。市販の薬剤、「コルゲンコーワ・鼻炎ソフトミニカプセル」を服用しています。効果を実感しています。きのうは大船(鎌倉)の街にある低級レストランで、高級(高額)のかき氷を食べました。妻は置いてきぼりのままに、わが単独行動でした。食べたかき氷の値段は1.100円で、消費税込みで1,210円を支払いました。せっかく念願叶ったのにケチな私は、文字どおりケチりました。店頭表示のかき氷の値段は、1、100円帯と1,350円帯に分かれていました。ケチな私は後者を敬遠して前者の中から、好みのものを選んで注文し食べました。いくらか、悔いを残した後の祭りでした。出来立てのレストランは若い女性客が多く、入るのにもかなりビビリました。そのうえ、かき氷を食べることにはなおビビリ、私は老いた太い図体を細めて、隠れるような気分で食べました。ところが、店内にはチラホラ高齢の夫婦や単独の客がいました。バカな私は救われた気分なり、横目流しに目勘定をしました。すると、私以外に5人ほどかき氷を食べていました。かき氷を食べている高齢者は、私同様に童心返りをしたくなったのでしょう。私の委縮していた気分は、緩んで落ち着きました。ところがどっこい、すぐにダメージをこうむりました。なぜなら、すべての人が1,350円帯のかき氷を食べていたからです。大船の街で値段の高低にかかわらずかき氷を食べようと思えば、此処よりほかには見つかりません。私の場合、ファーストフードの店頭で掲げるかき氷は、童心をいたく傷つけるだけで、食べる気にはなれません。わが心中に根づくかき氷のイメージは、器からはみ出るほどの山なりのものです。白い氷の色付けは、赤、緑、黄色のどちらかの、一色で十分です。ところが、きのうのかき氷の色付けは、上品ぶって抹茶色に塗られて、謳い文句には「北海道産アズキ」と、記されていました。確かに、値段の半分ほどの価値の美味しさはありました。もちろん私は、美味しさを愉しめました。この店は、出来立てほやほやの駅前の高層豪華ビルの中にあります。それゆえに値段の半分は、かき氷には関係のない家賃に化けるのでしょう。こんなケチな考察は止めにして、かき氷を食べた喜びは、十分に叶えられました。帰宅すると私は、恐るおそる妻へ、こう言いました。「1、100円のかき氷を食べて、消費税込みで1,210円、払ったよ。1,350円のかき氷もあったが、それは諦めたよ。食べている人はみんな、1,350円のものを食べていたよ」。すかさず妻は、こう言いました。「パパって、バカだねー。みっともないわよ。1,350円のものを食べればよかったじゃないの…」。私は、かき氷には童心返りを求めているのです。だから、当時のかき氷に似たものを食べれば、味覚はそっちのけにして十分満足です。私は山なりで器からはみ出しそうはかき氷を、ひと匙も落ちないように気を遣いながら食べました。この文章を書き殴りで書き終えると、夏風邪がもたらしている憂鬱気分は和らいでいます。朝日の爽やかさは、いっそういや増しています。あと、西瓜を食べれば、夏気分満喫です。