「綴り方教室」小さな幸せ

 7月1日(土曜日)、真夜中に起きてきのうの夜とは異なり、寝たり起きたりを繰り返し、確かな息遣いで生きています。抜歯の後の出血はきのうの夕方頃には止まり、三日分の痛み止めを服みはじめていたせいか、痛みも和らいでいました。そのせいでわが生きる活動(生活)は、少しずつ変わり(好転)はじめていました。もちろんいまだに、心地良いとか快適とかとは程遠いものの、それでも生きる喜びすなわち幸福感が戻りはじめていました。いやこのことは世の中の人と比べて、無理矢理にでもそう思ったのです。
 この頃の世間では有名人そして無名人、共に分け隔てなく、生きることの苦しみに喘ぐ、ニュースが頻繁に起きています。みんな、悲しみに纏わりつかれて生きています。私は、このことを浮かべていたのです。夕べの就寝時には豪雨ニュースに耐えきれず、私はふるさとの亡き長姉と長兄の長男(後継者・甥)へ、雨と内田川の増水状況を尋ねました。二人の甥は異口同音に、ふるさと模様をこう伝えました。
「これまでのところ雨は、降ったり止んだりで、今のところは大丈夫です。川の水はいみっているばってん、まだ大したことはないです。ただ、避難指示は出ています。雨は今夜、この先が大雨になるそうです。だから、それを心配しています」
 夕御飯のおりには出血の止まりに喜び私は、我慢していた御飯を茶碗に小盛りで食べました。御数は、大好きな旬の夏野菜三品の揃い踏みでした。トマトは、輪切りに食卓塩をばら撒きました。ナスは、妻にせがんでナスのしぎ焼きを食べました。キュウリは、子どもの頃から食べつけているおふくろの味、「キュウリ揉み」(味噌和え)をこれまた妻にねだり、食べました。大好きな料理? で、私には幸福感がいや増しました。
 テーブルを挟んで相向かいのソファに座る妻は、こう言いました。
「パパ、まだ夕御飯には早いわよ。パパ、まだ食べちゃだめよ。わたし、まだ食べたくないわ」
 妻は全部の20個が済むまで、ひたすら「ゴキブリホイホイ」を組み立てていました。
 児童の頃の「綴り方教室」を真似て、書きました。書き終えて、「小さな幸せ」と、題を付けました。