バカなことを書いている

 十一月十六日(水曜日)、窓ガラスの外は未だ暗闇の、夜明け前に起き出している。起きて、心中にぼんやりと浮かべていたのは、こんなことである。一つは、またコロナが勢いを増している。怖いなあー。結局、罹らずには済まないのかもしれない。自分は罹らなくても、体力が落ちている妻は、罹るかもしれない。仕事や学業中の娘や孫は、もっとその渦中にいる。困ったなあー。一つは、私には読書歴がない。それゆえ、言葉や文字の学習、すなわち習得がない。わが人生における大きな損失である。「後悔先に立たず」、さらに重ねれば「後の祭り」である。一つは、私は起き立てに書き殴りの文章ばかりを書いている。だから、腰を据えて、推敲を重ねた文章を書きたいなあ……。寝起きに浮かべていたことゆえに、何らの筋立ても繋がりもない。ボウフラみたいに、突然わいて出た脳みその屑にすぎない。
 きのうはパソコントラブルに見舞われて往生し、挙句、文章は書かずじまいだった。幸いにも、トラブルは修復した。しかしながら、こんな文章しか書けない。私は「生きる屍(しかばね)」状態にある。夜明けを待つまでもなくこれで閉じて、壊れている気分の修復にかかろうと思う。もちろん、コールセンターには頼れず、自分自身にすがるしか便法はない。
 こんな文章、書かなきゃよかった。まったくの無価値である。早起きは、三文の徳ならず大損である。