秋分の日

 好季節・秋は、どうしたんだろうか? 「秋分の日」(九月二十三日・金曜日)にあっても、雨の夜明けである。短い期間限定の彼岸花は、さぞかし悔しがっていることだろう。再びの三連休初日にあって、物見遊山を目論んでいる人たちもまた、雨空を仰いで悔しがっているであろう。墓場に眠る御霊たちも、雨のせいでお墓参りを渋る子々孫々を思い浮かべては、これまたさぞかし悔しがっていることであろう。これらをかんがみれば、私とて雨の夜明けを悔しがらずにはおれない。わが悔しがりにはオマケがついている。それはせっかくの好季節にあって、夏風邪を長引かせて気分を滅入らせていることである。それゆえにきょうは、出まかせにこんなことを書いて、指を擱くこととなる。わが命は時々刻々削られていくのに、胸の透く秋空を遠のけている天の事情が恨めしく、憎たらしくも思えている。朝御飯の楽しみだけは欠かせない。茶の間へ急ぐだけの朝の行動である。