「つまらない秋、盛り」

九月二十二日(木曜日)、今なお私は風邪症状を引きずり、休養状態にある。夜明けて窓の外は、強風が吹き荒れている。これには、一つの恩恵がある。それは、強風すがりの道路の掃除の免れである。なんだか、うれしい悲鳴である。ところが、気分は今なおすぐれない。もちろん、字を替えて、風邪症状のせいである。台風14号には、喜ぶべきことだけれど、なんだか肩透かしを食らって、どこかへ過ぎ去った。私は身構えていた。だからそのぶん、かなり気抜けしている。もちろん、「不幸中の幸い」という表現は当たらない。台風には前後、こんな言葉がつきものである。すなわちそれは、「前触れと余波」である。今朝の強風はおそらく、台風14号の余波であろう。いや、新たな台風発生の前触れなのかもしれない。きょうの私は、きのうに続いて、のっけからずる休みを決め込んでいた。ところが、強風の夜明けに遭遇し、咄嗟にこんな文章を書いている。実際には台風にまつわる、前触れと余波という言葉のおさらいを試みているにすぎない。それゆえに、これで結文とするところである。どちらのせいにしてもこのところの日本列島は、秋とは思えないぐずつく天候に見舞われている。明日は「秋分の日」(九月二十三日・金曜日)である。「暑さ寒さも彼岸まで」。ところが、早やてまわしに寒気が訪れている。私の場合、寒気は真っ平御免である。私は、風邪と風(台風)に翻弄されている。それゆえ、「つまらない秋、盛り」である。