やっぱり夏でしょ

 明けない夜はないと言うけれど、冬の明け方はなかなか太陽が昇ってこない。三時には目が覚めてしまう私にとって、起き出す五時までの時間はもてあます。運良くもう一眠り出来るといいけれど、布団の中でじっとしているのは辛い。そこでしびれを切らして起き出してしまう。すると昼間眠気が襲う。夏の夜明けは早く、同じ三時の時間帯でも、憂鬱になることはない。暗闇で雨戸を開ける冬とは違い、そっと音を立てずにご近所を気遣って開けると、薄明かりが飛び込んでくる。さあ、一日が始まる。そんな気持ちにさせてくれる。
 私はやっぱり夏がいい。