10月8日(火曜日)。夜明けは雨こそ降っていないけれど、朝日は見えずどんよりと曇っている。いや、今にも雨が降りそうである。来週には「スポーツの日」(10月14日)を控えて、もとより好季節の秋にあっても、一年じゅうで最も好い頃にある。ところがこのところは昼間にあっても、秋天高い秋晴れは望めていない。心急くほどにもったいない気分をもたらしながら、好季節はおかまいなく冬日へ向かっている。途中、どこへ消えたかわからないままに台風17号と18号は、幸いにも大きな災いをもたらすことなく去った。しかしながら、長く続いている悪天候はやはり、不運にもこれらの台風の捨て鉢の置き土産だろうかと、勘繰りたくなる。人間、いや私の気分は、一日にあっても、夜明け、昼間、そして夕暮れの天気の良し悪しで様変わる。それなのに、四季にあって最も好季節と定評のある「秋」にあって、こんな「ザマ」では確かにもったいなく、かなり腹の立つところがある。こんな苛立つ気分を和らげてくれるものには、買い物において売り場で遭遇する「実りの秋」のお出ましがある。長く空き棚になっていたコメ棚は、おおかた早出しの新米で埋められている。見違えるほどに眼福と食欲をそそる素敵な光景は、果物フロアにおける秋の果物の勢ぞろいぶりである。すなわち、栗、蜜柑、柿、梨、葡萄、などの競い合いである。林檎は季節おかまいなく並んでいて、愚かな私は、林檎の季節は知らずじまいである。これらに本来は山育ちのはずの、今や栽培物の木通(アケビ)や郁子(ムベ)などが、後追いでやがて売り場に現れる。はたまた、料理(レシピ)に欠かせない酢橘(スダチ)などの柑橘類も、数多お出ましである。このところの天候にはいっとき難癖をつけても、やはり私は、秋の季節を毛嫌いすることはできない。風邪が治りそれにともなうネタ切れにあって、きょうは書けず休むつもりだった。けれど、「実りの秋」のおかげで、こんな文章へたどり着いた。やはり、「秋、万々歳!」である。秋の天気は一気に様変わるけれど、昼間は秋晴れになるだろうか。ただいまだに、小雨が降りそうな曇り空である。