ただいま謹慎中

 6月19日(水曜日)。きのうは一日中、強雨ならぬ嵐に見舞われていた。なのに、雨は止んで、満天青く朝日輝く夜明けが訪れている。しかし、梅雨の合間の晴れ(好天)とは書けない。実際にはいまだ、気象庁の梅雨入り宣言前の好天(天恵)である。きのうの雨は、たっぷりと各地の水がめ(ダム)に水量を溜めたはずだ。そうであればこの先、梅雨入り・梅雨明け共に宣言なく、本格的な夏になっても、一向に構わない。いや、欲深い私は、それを望んでいる。わが欲のツッパリの証しである。しかし自然界は、人間界と比べればはるかに律儀者である。なかんずく気象は、その筆頭にある。ゆめゆめ、梅雨入りをほったらかしにすることはないはずだ。梅雨入りが遅れて、気を揉むのは気象庁だけである。
 夜明けの空は、ひときわ明るく光っている。アジサイは雨に濡れて、露を帯びたままに彩り(艶)をいや増している。ウグイスは囀(さえず)り超えて、高音で鳴き続けている。ところが、私はしょんぼりしている。しょんぼりは、このところのミスの多い文章の名残のせいである。ゆえに私は、業(ごう)を煮やし、みずからに謹慎を強いている。この文章は、謹慎の禁を破った雑文である。雑文、かたじけなく思うところである。