4月26日(金曜日)。また、朝が来ている。しかし、朝模様は必ずしも一様ではない。気象だけでも、晴れ、雨、曇り、強風、嵐を元に、様々な変化をともない、朝が訪れる。山ではコジュケイとウグイスが、高音で鳴き合いを演じている。ところが私は、日替わりにあっても、起きては日々同じような文章を書いている。このことでは私自身飽き足らず、おのずから自己嫌悪に陥っている。こんな気分を免れるには、確かに文章を書かなければ済むことではある。もちろんそれは承知で、常々(もう、書くまい!)と、決意寸前にある。しかし一方、これまた常々、こんな脅しに苛まれている。すなわちそれは、(書かなければ、おまえは生きる屍同然ではないか!)。これにもまた、十分承知するところがある。挙句、それを恐れて書いている。身も蓋もないことを書いてしまい、自分自身に詫びて、ご贔屓のご常連の人様へ詫びている。山は緑を深めている。あすから、先駆けのゴールデンウイークに突入する。物見遊山、手近なところで「鎌倉めぐり」の人の往来が激しくなる。それに備えてきょうの昼間は、人気の「天園ハイキングコース」へ向かう、わが家周りの道路をしなければならない。ウグイスはすでに春先のトレーニングを終えて、行楽シーズンに備えて、日々、本鳴きを高めている。わが家では厄介きわまりない山に棲みつくリスは、近郊近在から出向くハイカーにとっては、旅気分の一興を成して存在価値を高める。これらに交じり私にも、鎌倉めぐりの人たちを歓迎する一員の自覚はある。ならば気分を高めて、道路で出会えば明るい挨拶を心掛けなければならない。それにはまずは、こんな気概のない文章を書く気分を一掃しなければならない。人の世は、自然界の恵みを満喫する好季節の到来である。私も人の子、省(はぶ)かれず便乗した気分山々である。私のゴールデンウイークは、萎えている気分の立て直しが先決である。ゴールデンウイーク先駆けの朝は、のどかに晴れた旅日和である。