「満開の春」の訪れ

3月30日(土曜日)、夜明け間近にある。きょうは長い文章は要なしと決め込んでいる。私日記風にこれらのことだけを書けば十分である。気象庁はきのう(3月29日・金曜日)、東京の桜の開花を発表した。降り続いていた雨と、残されていた雨雲は、時を追って遠のいて、からりと晴れた。つれて、わが憂鬱な気分は、たちまち晴れた。あまりのうれしさにわが気分は、はしゃぐ子どものよう(童心)になっていた。その証しには、掲示板に「東京で桜が開花」と書いた。ところが、童心返りはこれだけでは飽き足らず私は、雨が止んで晴れて高まる気分を伝えたくて、大沢さまへパソコンメールを送信した。それほどにわが気分は高揚していたのである。桜の開花宣言に合わせてきのうは、セ・パ両リーグ共に、今シーズンの開幕日だった。桜が開花し、同日に「東京ドーム」では、プロ野球が開幕した。首都東京には、いっぺんに「絵になる春」が訪れたのである。一方、ほぼ半年間楽しく観続けていたNHKテレビ朝のドラマ『ブギウギ』は、きのうで終了した。予期していたとはいえ、こちらにはロス気分に陥り、私はかぎりなく寂しさをおぼえていた。しかし、この気分をまずは、昼間に伝えられた東京における桜の開花宣言が和らげた。次には、プロ野球の開幕日が和らげた。夕方にあっては妻と共に私は、茶の間のテレビの前に陣取った。いや、5時30分きっかりにテレビを前にして二人は、相対に置いているソファーに座った。開幕日にあっては、セレモニーが行われる習わしがある。予定の試合開始は6時10分であり、その前に40分のセレモニーがあった。二人は、これにも見入ったのである。わがファンとするタイガースの開幕日の相手チームは、球界の長年の覇王・読売ジャイアンツだった。テレビ観戦はいつもワクワク気分になる。まして、開幕戦となれば私たちは、セレモニーからはじまり試合開始そして終了までを勢い込んで見入ったのである。ところが、試合自体は応援グッズを打ち鳴らす場面はほとんどなく、タイガースは0-4でジャイアンツに完敗した。ジャイアンツの指揮官は、昨年までの原監督に代わり阿部新監督が務めた。だから、阿部監督にすれば幸先のよい一勝のスタートだった。テレビ観戦を終えたわが戦評はこうだった。「今シーズンのジャイアンツは強い、タイガースは弱い」だった。だけど、きのうの私は、「満開の春」の訪れがあってか、タイガース敗戦後の気分はそんなに悪くはなかった。夜明けて朝日はいまだ雲隠れのままだけれど、雲間はのどかに明るく開き始めている。もはや、悪天候を嘆くことはない。欲張って望むものは、桜の花をたずさえて彩る百花斉放の春爛漫である。加えて、きょうの第2戦にタイガースがちょっぴりでも意地を示せば、それは望外の望みである。短くて十分の文章は、無駄に長くなってしまった。書き殴りの祟りである。桜の花に加えて、春を彩るウグイスの出番も間近である。