作品の紹介-26 青磁象嵌文壷

作品の紹介-26

青磁象嵌文壷
高さ25cm×直径40cm
坂本宗生 作

Jar with celadon glaze and inlay decoration height25cm,diameter40cm by Sousei Sakamoto

青磁釉とバリウム
青磁釉の原料に、炭酸バリウムを使うと、鮮やかな色の青磁の作品を作りやすくなるので、 炭酸バリウムを使いたくなります。しかし、バリウムには強い毒性があります。 (素木洋一著「釉とその顔料」の釉の毒性の項目、及び「岩波理化学辞典」の バリウム化合物の項目、等参照。) 望月窯では、本格的に作品を作るに当たって、バリウムを全く使わない方針に決めました。 すると、施釉を厚くするしか色を濃く鮮やかにする方法がないので、釉の剥がれ落ち、 めくれ、切れ、色が十分に鮮やかにならない、色むらが出るなどと、焼成ごとに、 実に様々なトラブルがおきました。これらのトラブルを、ひとつひとつ解決して、 現在では、青磁の大作を確実に焼成できるようになりました。