子育ての記
中山和江著
A5判 私家本 161頁
非売品
ISBN4-901735-10-1
一生独身を通すのではと思っていた長女が結婚した。次女はすでに結婚していたが、二人の娘は子供を生むことを望んでいないようであった。ところが長女に子供が出来、その後次女も妊娠した。思いがけず二人の娘の出産に直面した著者だったが、出産後も共働きを続ける長女のために、すでに定年退職をしていた夫と共に孫の育児を引き受けることになる。命を育てることは並大抵でない苦労がある。しかし、日ごとに育っていく命は家族のかけがえのない絆にもなっていく。読んでいくうちに、人間が生きていくということの意味を自然に感じ取り、親の有り難さが心を捉える書でもある。付記に掲載されている新聞記事の抜粋なども保育事情を改めて考えさせられる。