ひぐらしの記

ひぐらしの記

続いている「好天気」

十一月十四日(月曜日)、起きてパソコンを起ち上げ、しばし机上に両頬杖をついていた。頬杖を外し、ポコポコとキーを叩き始めている。片目で見遣る壁時計の針は、五時近くを回っている。夜明けが早い頃で晴れであれば、燦燦と朝日輝く夜明けにある。しかし仲...
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自然界の恵み

十一月十三日(日曜日)、未だ薄闇の夜明け前にある。闇は時を追って消え朝日が昇り、明るく夜が明ける。すると、わが気分もまた晴れる。もちろん、曇りや風雨のない晴れの夜明けの場合である。晩秋の「文化の日」(十一月三日)前あたりから、「立冬」(十一...
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「糧」と「絆」

十一月十二日(土曜日)、夜明け前というより、夜明けの遅い初冬の真夜中あたりに起き出している。二度寝を阻まれてきのうとは異なり、現在の私は、眠気眼と朦朧頭に加えて、憂鬱気分の三竦み状態にある。寝起きにあって冒頭より、いつもながらの愚痴こぼしの...
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夜明け前

十一月十一日(金曜日)、現在の時刻はきっかり午前四時です。それゆえ、前面の雨戸開けっぱなしの窓ガラスの外には、未だ夜明けの明かりはまったく見えません。この光景を強いて表現すれば、頭上の二輪の蛍光灯が真っ暗な窓ガラスに浮いて、音なく照り返って...
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寝起きに浮かべていた、「待つ」心境

十一月八日(火曜日)、寝起きにあって私は、心中にこんなことを浮かべていた。人生において楽しくうれしいことのひとつは、駅のプラットホームや改札口などにおいて、長く佇み待つ出会いどきの心境かもしれない。とりわけかつて、ブルートレイン(夜行列車)...
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立冬

「立冬」(十一月七日・月曜日)。暦の上では冬の季節に入ります。ときおり、「小春日和」はあるとはいえ、この先、日々寒気が増してまいります。いや、寒気だけではなく、それゆえ気分的にもつらい季節が訪れます。おのずからわがモチベーションは萎えて、文...
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寝起きの戯言(ざれごと)

十一月六日(日曜日)、夜明けまでには未だ遠いところにある。部屋の明かりは、頭上に二輪の蛍光灯が灯るのみで、窓ガラスの外の様子は暗闇である。難聴の両耳に響くものは、五月雨式にぽつりぽつりと跳ね返る、寂し気なキイの音だけである。まったくの静寂で...
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生きている

十一月五日(土曜日)、明るい文章を書きたいのに書けないのは、わが罪であろう。読む人が少ないのは、文章の不出来のせいであり、確かなわが罪である。「文は、人なり」。こんなことを心中に浮かべながら、起き出している。今や、起きることだけが、生きてい...
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胸の透く、日本晴れ

十一月四日(金曜日)、きのうに引き続いて、胸の透く日本晴れの夜明けが訪れている。きのうは「文化の日」(十一月三日・木曜日)。文化の日前後は一年じゅうで最も雨なく晴れの日が多いという、過去の気象データに背かず、面目躍如たる晩秋の好天気だった。...
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文化の日

頃は良し、晩秋の大団円の「文化の日」(十一月三日・木曜日、祝祭日)の夜明け前にある。私は二度寝にありつけず、眠気眼と朦朧頭、加えて憂鬱気分の三竦(さんすく)みの状態にある。それゆえに、せっかくの好季節は、ズタズタに台無しである。起き立ての私...